心燃やせ
先日は東京や関東圏でも
珍しく雪が降り
一夜開けてみれば
大混乱だった様子ですね
皆さんは大丈夫でしたでしょうか?
さて今回は
わたしが運営しております
限定記事の一部を
皆さんにもご紹介させて頂こうと思います
サロン内にて前回
全神全霊の人生と
半神半鬼(半信半疑)の
お話をお送りしたことに付随して
※上記はサロン限定投稿となります
今回は世界中で
社会現象を巻き起こした
大人気マンガ・アニメの
『鬼滅の刃』- 無限列車編を
東洋思想の観点から
解説してまいります
空前の『鬼滅の刃』人気もあって
鬼や柱、呼吸法や全集中など
鬼滅の物語で使われる
キラーフレーズを日常生活でも
耳にすることが増えました
そもそも鬼とは
神とはなんなんでしょうか?
これをお読みいただくと
コラム前半では神と鬼の意味
後半では『鬼滅の刃』の
柱と鬼の意味
『鬼滅の刃- 無限列車編』の
煉獄杏寿郎と上弦の鬼との
闘いに理解が及ぶこととなり
皆さんの人生が分かれていく
〈分岐点〉になるかもしれません
東洋思想では切っても切れない
神と鬼の性質について
その思想の一端を
ご紹介していきます
神とは鬼とは
そもそも神とは
東洋思想では
人智を遥かに凌駕した
万物のすべての
この宇宙の創造の根源のことです
それは自然界や
わたしたち人間の生活の隅々に
垣間見ることができる
法則であり仕組みの
根源のことです
広義的な意味での東洋思想で
お答えしましたが
これが宗教になると
それぞれ擬人化した対象に
信仰を向けることなります
仏教はお釈迦様
道教は老子
※老子の死後大幅に時代が下った後に
人々により信仰化
儒教は孔子
※孔子の死後弟子たちにより信仰化
神道は天照大神と
『古事記』の八百万の神々の
日本固有の信仰
などなどです
わたしが専門とする算命学は
考古学的見解では
古代中国の殷時代に
その十干という宇宙の
空間把握の思想の発祥を
確認することができます
その特徴として
この世の森羅万象のすべてが
神の創造物であり
神の意思であるという
思想哲学から
特定の擬人化した
信仰対象を持つことなく
約3500年の年月の中で
発展と継承を繰り返してきました
そのため神とは前述の通り
創造の根源でもあり
反対に険しい自然の
天変地異をもたらし
生命の淘汰(死)と破壊をも司る
脅威そのものでもありました
つまり天は
宇宙は神でもあり
時として
悪魔にもなり得たのです
この辺が仏教で言うところの
御不動さん的な考え
とでも言いましょうか
そして実は神は
わたしたちを取り巻く大宇宙の
外的なもののすべて
そして自分の内的な
世界にも同時に存在する
小宇宙でもあるため
人生に起こるすべての事柄を
〈神の意志〉として受け止め
生ているうちに自分の心を
神の完全・完璧な秩序に
少しでも近づける様に
研磨していくというのが
算命学のもっている思想であり
またこれは仏教やその他の
東洋の信仰の根源となっています
ではこれと対となる存在として
一体、鬼とはなんなのでしょうか?
全神全霊と半神半鬼の人生
実は鬼という漢字は
古代中国の殷王朝に
亀の甲らに文字が彫ってある
漢字の起源となる甲骨文字に
既にその姿をみることができます
つまり鬼とは
約3500年も以上も前から
古代東洋人が持つ概念と言えます
そしてもう一つ重要なのは
この鬼という文字は
同じ甲骨文字である
甲(こう)と
乙(おつ)という
2つの甲骨文字が
組み合わさったものと言われています
わたしのセミナーに
ご参加いただいている方は
既にご存知の方も
いらっしゃると思いますが
この甲・乙
という甲骨文字は
東洋の運命学全体の
根幹を担う概念であり
今日わたしたちは契約書にて
甲・乙という甲骨文字を
確認することができます
これは
甲- こう /わたし
乙- おつ/あなた・ わたし以外のすべて
という意味であり
これを自然界で表すと
甲- 樹木
乙- 草花(樹木以外のすべての植物)
の意味があります
鬼となる心
つまり鬼とは?
わたちたち人間そのものを
表現しています
鬼とはわたしたちが
〈半信半疑〉
〈半神半鬼〉
で生きる状態から生まれる
自分と自分以外に向けられる
妬み嫉み
羨ましさ
恨めしさ
疑念
憎悪
恐怖
無念さ
浮かばれない気持ちの数々が
鬼という形相を伴っていく様のことです
この辺りを上手く
表現されているのが
『鬼滅の刃』であり
物語中に出てくる鬼は必ず
人間の頃の怨みや
認めてもらえなかった無念さ
愛されたかったのに
愛されなかった憎悪
欲を必要以上に貪る心(貪欲)
満たされなかった欲求
など執着がすべての鬼の
背後に描かれています
この辺りが作者の秀逸さであり
東洋思想の専門家が見ても
忠実に表現されていることに
感銘させられますし
知らずともわたしたち日本人の
DNAの中に染み付いた琴線に触れ
東洋人の心に染み入るわけです
そして『鬼滅の刃』物語中に
出てくるあるワンシーンが
正にこの神と一体となる
全神全霊の生き方
これと陰陽真逆の
対になる生き方が
真っ向から打つかり合う
シーンがあります
それは『鬼滅の刃』
- 無限列車編 - で見られる
炎柱である煉獄杏寿郎と
上弦の參の鬼との決闘シーンです
煉獄杏寿郎の
その類稀なる能力を
認めた上弦の鬼が
"人間でいるのは勿体ない
鬼にならないか?鬼になろう"
と誘いかけます
しかし柱である
煉獄杏寿郎は
”俺は君とでは判断の価値基準が違う”
と言って応じません
”強さというのは
肉体にのみに使う言葉ではない”
それに対し上弦の鬼は
“今まで殺してきた柱に炎はいなかったなぁ。そして俺の誘いに頷くものもいなかった”
と答えます
一体これは
何を意味しているでしょうか?
鬼の集団と
それを全滅させようとする鬼殺隊
双方は共に武道を極め
己の能力を研磨し続ける存在です
それは自己の能力を
武道を通して研磨するという
同じ手段をとっていますが
手段を一つ高い次元で掌握する
心の性質に根本的な
違いを見ることができます
どちらも共に武器を握り
同じ手段を通して闘いますが
目に見える世界を
裏側で掌握する
心の在り方が対となる
性質(氣質・鬼質)であるため
人生が、生き方が真逆となり
世の中にもたらされる
価値と評価が正反対になってきます
故に杏寿郎は
”俺ときみでは価値基準が違う”
と数回にわたり鬼に言い放つのです
鬼になった方が永遠の命となり
死の恐怖に怯えることもなく
斬られた肉体はすぐに再生し
何度でも修復するため
戦闘が楽です
同じ武道を極める者
なぜもっと楽な
道を選ばないのか?
人間ならば簡単に傷つくし
傷は簡単に再生せず
常に死の恐怖と隣合わせで
条件の悪い暗闇の中
いつも鬼と闘うことになります
なぜもっと楽で永遠の命に近い
強靭な肉体を簡単に手に入れる
道を選ばないのか?
実はこれはこの世の真理を
忠実に表現しています
この世は必ず物事が
陰陽に枝分かれしていく
という性質があり
人生や物事のすべてにおいて
この枝分かれした
陰陽が対峙する構造を持ちます
武術を極めたものは
それを天の道理に従った
正い正義のために
使うこともできる反面
鬼の様に
私利私欲のために
貪るために
人を殺め喰らうために
使うこともできます
またか弱きものを守る
愛するものを守るために使われる刃も
一歩間違えば
人を殺める凶器にさえなりますし
人の心と身体を幸せで満たす
料理を作る包丁も
同様の両刃を持っています
また今日わたしたちの
口から紡がれる言葉は
命の炎が今にも絶えそうな
人の心すらをも
救うことができる反面
人を死の淵へと追いやる
凶器にさえなり得る事実があります
算命学もこれに同じです
途方に暮れる人の心に
希望をもたらすことが出来る反面
的確に相手を
陥れることも可能であり
実際に古代中国は戦国時代に
軍略と応用され覇権を握って来た
史実があります
これらのそのすべては
目に見えない内的な世界が
目に見える現実世界の
すべてを創り出しています
それはすべて心という
わたしたち人間に宿る
肉体と霊魂を
結びつける心の存在が
全神全霊でこの天の道理
宇宙の真理と一体となり
己の責務を神の意志と
一体とさせ全うしようとする
心の在り方が鬼と
全神全霊と一体となる
〈柱-はしら〉の
生き様の違いとなるわけです
わたしは日頃からセミナーや
事あるごとに
”自分で自分の心の軸を養う”
をスローガンに活動させて
頂いているのですが
なぜ自分で自分の心の軸を
支える必要があるのか?
東洋思想では〈柱〉は
天と地を結ぶ一本の軸であり
それは
精神と現実の結びつき
を表します
鬼滅に出てくる
鬼殺隊の9人の柱たちは
天と地が繋がる9つの心の柱のことです
天と地
精神と肉体
理想と現実を結びつける
心の柱が天の道理に正く
より強固であればあるほど
わたしたちの現実世界の
促進力・実行力・遂行力が
より強固になり自己実現を加速させます
そしてこの〈柱〉
心の性質の良し悪しが
現実世界に形作る
結果の良し悪しに
深く結びついているわけです
ここのあたりは以前ご紹介した
『老子』第一章が
この一連を物語っています
※↑老子はオンラインサロン
【天意堂】限定のコンテンツとなります
自分の持て生まれた能力を
後天的な努力で鍛錬し研磨し
より精度の高いものへと
昇華させていく姿勢
その精神と実行力が限りなく
この宇宙の正しい道理と重なった時
そこに自然と
美しさが生まれる道理が
働くようになります
※合わせて
をお読みください
道理にあった正しい義徳を
伴うからこそ見る者が
美しく感じるわけです
だからこそ『鬼滅の刃』
という作品は
大人から子どもまで
見る者の魂の根源の部分まで刺さり
”凄い作品だ!!”
と心を動かされ
世の中から
評価されるわけです
またいよいよ〈心の時代〉
が台頭する時代が切り替わり点に
詳細はこちらがお勧めです
上手く時代とマッチした
素晴らしい作品だと感じています
いやぁ
東洋思想は深いですね
深くて不思議な世界を
理論的に説明いくのも
算命学の奥深さと
尊さと価値でもありますし
『鬼滅の刃』は
素晴らしい作品だと
感じ入るばかりです
皆さんはいかが
お感じになられましたか??
方法は同じでも
後天的生み出す
形にする在り方が全く異なるのは
わたしたちの
心の性質であります
“心を燃やせ”
だからこそ杏寿郎は
幾度となくわたしたちに
わたしたちも自分の人生の役割に
心を燃やす生き方をしたいものですね
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
双蘭
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